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会議の時間を短くしたい人に知ってほしい「書く、読む」の効用

 「この会議、いつも長いなぁ」

「打ち合わせに時間を取られすぎて困る」

 そんなビジネスパーソンに知ってほしいのが「書く、読む」の活用。

「文章力ゼロでも、スラスラと、誤解のない文章が書けるようになる9つのフォーマット」を収めた『THE FORMAT』の著者、石倉秀明さんは「文章で仕事をすると仕事時間が短くなる」と言います。

「話す場では存在感薄い人でもうまく書けば覆せる訳」(5月20日配信)に続いて、本書より一部抜粋、再構成して「書くこと」のメリットを解説します。

『THE FORMAT』(サンマーク出版) 石倉秀明

文章で仕事をすると、仕事時間が短くなる

 「書く、読む」で仕事をすると、同時にできる仕事が増えます。典型的なのが、少人数での打ち合わせや相談事です。

 リクルート時代、ぼくはリーダーとして5人の営業スタッフをマネジメントする仕事をしていました。そして、日中、いつも暇だと感じていました。

 というのも、ぼくにとって大事な仕事は営業スタッフからの報告を聞き、相談に乗り、チームをマネジメントすることだったからです。

 5人の営業スタッフは外回りに行き、ぼくはオフィスに待機。もちろん、デスクワークはありますが、そこまで忙しいわけではありません。

 その分、営業スタッフが戻ってくる夕方からは、報告、相談の順番待ちができます。1人ずつとやりとりしていては追いつかないからチームで会議をしようか? となり、数時間のミーティング。それが終わってから次の日の準備が始まり、残業は当たり前。そんな働き方でした。

 でも、今のぼくは複数の部署をマネジメントしていますが、報告、相談の順番待ちができることも、急な会議をすることもありません。

 それは「書く、読む」でできる仕事を増やしているからです。

 テキストはお互いに目にする時間に差がある非同期でも、きちんと内容が伝わります。ですから、かけ離れた場所にいても現場で何が起きているか、担当者がどう考え、どんなことに悩んでいるか、困っているかが把握できるわけです。

 メンバーから「仕事の進め方について相談したい」「企画内容についてディスカッションしたい」と声がかかれば、チャットやメッセンジャーで同時に複数のメンバーとやりとりしています。

 でも、これは特殊な対応力かというと、そうではありません。

 あなたも携帯を見てみれば、LINEで4、5人と同時にやりとりしたことがあるはずです。

 電話で同時に4人の友達と別の話題を話すのは無理ですが、LINEで4人の友達と別の話題をやりとりするのは簡単です。

 テキストは記録に残り、非同期でやりとりできるから、3つ、4つの案件を同時に処理できるのです。

 言わば、これは3つ、4つの打ち合わせに同時に出ているようなもの。「話す、聞く」のコミュニケーションでは、オフィスで自分の順番を待つメンバーが手持ち無沙汰になっていましたが、「書く、読む」のテキストコミュニケーションではお互いが同時に複数の業務を進めることができます。

「書く」を増やすと、打ち合わせや会議の時間が短くなる

 また、打ち合わせの内容がストックされると、打ち合わせ自体が減っていきます。

 リクルート時代、DeNA時代を振り返っても、新人のメンバーからの仕事の相談に乗って答える内容は、さほど変わりません。

 ぼくが聞くのは「お客さんはどう言っているの?」「お客さんのニーズは何なの?」「お客さんはどこで迷っているの?」といったこと。その後、聞き取りした内容について「こういう打ち手があるんじゃない?」と提案するわけです。

 極端な話をすれば、メンバーや営業先が変わっても、ぼくの質問する内容やアドバイスはあまり変わりません。でも、同じであっても、メンバーや時間を変えて、50回、100回と同じ話をしてきました。

 ところが、「書く、読む」なら、その内容はストックされます。キャスターではこの内容は、「Notion」という文書管理サービスにまとまっています。すると、相談を受け止めた後、「そういうときは、これを読んで」と言えば、解決することもたくさんあります。

 また、「書く」うちに、自分の考えがまとまります。そうすると、自然と困り事、悩み事のパターンに応じた自分なりの対応マニュアルができあがっていきます。よって、相談された場で大喜利のように返答を捻り出すよりも、より練られた、充実した「返事」が溜まっていくのです。

「文章」で相談をすることの4つのメリット

 そして、「書く、読む」のコミュニケーションならば、「今、この人に声をかけて大丈夫かな?」と空気を読む必要がなくなります。

 上司が席にいる時間を見計らって、さらに上司が忙しいのかどうか、機嫌がいいのかどうか、打ち合わせができるかどうかを見極めているうちに、上司が外出してしまい、決裁がもらえなかった……という経験はありませんか。

 でも、チャットで送っておけば、上司は判断できるときにチャットを読めばいい。もしもその場で判断できないことならば「◎◎を確認してから判断するから待ってください。もしも◎日◎時までに返事しなかったらリマインドをください」と書いておけば、全員のストレスがなく、スムーズに進みます。

 「あの件、部長の判断はどうなりましたか……?」などと確認をするストレスもなくなります。

 このように、チャットでオープンにコミュニケーションを取っていると、物事の流れがすべて透明化されます。

 また、意思決定をする側としても、明らかに労力が減ります。

●自分が不在のとき、メンバーがどう仕事を進めているのか
●メンバーがどういう点に悩み、相談したいと考えているのか
●会議の流れはどうだったのか

 これがテキストとして残っていれば、たとえ忙しくて内容を忘れてしまっていても、意思決定に必要な情報をすぐにさかのぼって取ることができます。「話す、聞く」時代に比べると、決断の質もスピードも上がるのです。

 ぼくの経験で言うと、チャットですべての打ち合わせや会議をするようになってから、マネジメントできる人数、事業の数が明らかに増えました。

 今は少し立場が変わっていますが、キャスターでもっとも多くの事業を見ているときは、4事業部、約500人のメンバーをマネジメントしていたことがあります。これも「書く、読む」のテキストコミュニケーションだからできることです。

 また、集中しているときに声をかけられて、集中が途切れてしまうことも防げます。まずは目の前の仕事に集中して、ふとしたときにチャットを見ればいいのですから、効率が上がるのは当然です。

<本稿は『THE FORMAT』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>

(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
Photo by Shutterstock


【著者】
石倉秀明(いしくら・ひであき)


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