圧倒的な好印象を残す人が添える「たった一言」の威力
1万円のネクタイと100円のメッセージカード、どちらが相手の心に残るでしょうか?
答えは単純ではありません。特にビジネスシーンでは、高価な贈り物が必ずしも正解とは限らないのです。
史上最年少で世界トップクラスに君臨するメガバンクの「全米No.1」営業成績を残した酒井レオさんによるロングセラー『全米No.1バンカーが教える最強の気くばり』よりお届けします。
お金をかけなくても「思いやり」が伝わるプレゼントのコツ
人間関係を築くにはプレゼントは効果的です。ただし、気をつけてほしいのは、とにかく高価なものをあげればいいだろう、という誤った思い込みです。
プレゼントというと、とかく高価なブランドものを贈ろうとする人がいますが、男女間ならともかく、ビジネスシーンにおいてはこれほどコストパフォーマンスの悪いものはありません。
ブランド製品がほしければ、自分で買います。経験からいえば、人から趣味に合わない高額なものをもらっても困惑してしまうだけです。
プレゼントをあげるとき、私が第一に考えるのがコスパです。
たとえば、私はよくワインをプレゼントするのですが、ワインは必ずしも味と値段が比例するわけではありません。値段は高くなくても味のクオリティの高いワインがたくさんあるので、相手の好みに合わせた手頃なものを贈るときに便利です。
また、プレゼントを贈るときに欠かさないようにしているのが「パーソナルタッチ」を加えることです。仮に小さな写真立てを贈るとすると、そこに記念のひとことメッセージを書いたカードを1枚はさんでおくのです。
そのため、私は毎日のように「今日の格言(Quote of the Day)」などのサイトをチェックしています。これは詩のワンフレーズや偉人の名言を日替わりで紹介しているサイトです。
この中から「これは」と思えるものをいくつか選んでおき、いざプレゼントを贈るとなったときには記念のメッセージとして添えるのです。
あるいは、相手がふだん口ぐせにしていたり、座右の銘にしていたりする言葉を記念メッセージとしてつけてもいいでしょう。
「あきらめなければ、夢はかなう」などのメッセージを入れてあげると、「そういえば、俺はよくこんなことを言っているな」と、相手も感激してくれます。
たんに「ありがとうございました」や「お世話になりました」といったありきたりのメッセージだと、読む人の心に響きません。そこで相手に個人的で特別なメッセージをつけることで、お金をかけなくても「コスパの高いプレゼント」ができるわけです。
個人的な思いやりを形にする
ほかにも、私がよく実践しているパーソナルタッチとして、花束を贈るとき、配達員の人にメッセージを声で伝えてもらうサービスがあります。
花束にはたいていメッセージカードをつけますが、カードの文字はコンピュータで打ち込まれる場合も多いので、どうしても無機質な印象を与えてしまいます。
そこで、このサービスを使って、自分の名前とメッセージを口頭で相手に伝えてもらうのです。
花束が届いた際、配達員の人が「メッセージがございます。『レオです。この間はありがとう。楽しかったね。また行きましょう』とのことです」と肉声で伝えてくれるので、新鮮な驚きと感動があります。コンピュータで打ち込まれた文字より、ずっと心がこもったメッセージに感じられるでしょう。
つまり、相手の心に響かせるには、どんな個人的な思いやりを形にして添えられるかがポイントになります。
これは、一斉メールにも当てはまります。
イベントやパーティの招待などで一斉メールを送るようなとき、私はできるだけ同じ文面ではなく、9割の事務的な内容はコピペしたとしても、1割には個別のメッセージを入れるようにしています。
「最近、結婚したんだね。おめでとう」とか「お子さん、どう?」といったひとことでかまいません。これだけでも、手間をかけずに一斉メールにはない心が伝わって、相手との距離を縮めるツールになります。
<本稿は『全米No.1バンカーが教える最強の気くばり』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>
(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
Photo by shutterstock
【著者】
酒井レオ(Leo Sakai)
ニューヨーク生まれ、ニューヨーク育ちのバイリンガル日系アメリカ人。
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