君の価値を君以上に高く評価してくれる人はいない
アメリカ・シリコンバレーで生きる伝説とされる、ナヴァル・ラヴィカントは、「自分の価値を市場以上に高く見積もれ」「時間で判断しろ」と説きます。傲慢にも聞こえかねない言葉の裏には、富を築くための深い洞察が隠されています。
ナヴァルの投稿記事、ツイート、対談を集めた本『シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント』よりお届けします。
「時間」で考え、決断する
自分に時給を設定し、
その時給で計算した金額を
惜しみなく使って、時間を節約せよ。
君は自分で考える以上に
価値が高い人間にはなれない。
君の価値を君以上に高く評価してくれる人はいない。だから自分にべらぼうに高い時給を設定して、それを押し通そう。私は若い頃に、自分は市場の評価よりずっと価値が高いと決め込んで、そういうものとして自分を扱い始めた。
どんな決定を下すときも、必ず時間を考慮しよう。それをするにはどれだけの時間がかかるのか?
たとえば街外れにものを取りに行くのに1時間かかるとしよう。君が自分の価値を時給100ドルと評価するなら、それを取りに行くのは100ドル捨てるようなものだ。それでいいのか?
時が流れ、少し富を得たら、もっと高い時給を設定しよう。私の場合、嘘みたいな話だが、まだ君が私を雇えた時代に……今は雇えないが、雇えた時代に……10年か20年前の無一文だった頃でさえ、自分の時給は5000ドルだと、いつも自分に言い聞かせていた。今にして思えば、実際には1000ドルくらいだったと思う。
もちろんそれでも電気工とやり合ったり、不良品のスピーカーを返品したり、無駄なことはしていたよ。でもそんなことはするべきじゃなかったし、人よりは無駄にした時間は少なかったと思う。返品なんかして時間を無駄にするより、これ見よがしにゴミ箱に投げ入れるか慈善団体に寄付すればよかったし、自分で修理するより、誰かにやってもらえばよかった。
当時は恋人に、今でも妻を相手にこんなことを言っている。「それは私のやることじゃない。それは私が解決する問題じゃない」
今でも母に雑用を頼まれると、「私はそういうことはしない、助手を雇ってあげようか」と言っている。お金がない頃からそうしていたんだ。
「エネルギー」は分配せず全注力する
もう1つの考え方として、自分の時給より安く外注できることや、自分でやらずにすむことは、外注するかやらずにおこう。自分の時給よりも安く誰かにやってもらえるなら、その人を雇えばいい。料理のようなことでもそうだ。健康的な料理を自炊したくても、外注できるなら外注しよう。
べらぼうに高い時給を自分に設定して、それを押し通すんだ。自分にも他人にもばかばかしいほど高いと感じられる金額にしよう。そうでなかったら、まだ上げ足りない。
君がどんな金額を選ぼうと、私のアドバイスは「もっと上げろ」だ。私自身、お金がない頃も長い間5000ドルに設定していた。年俸に直すと数百万ドルだよ。
でも今はそれを上回っている。私はそんなに働き者じゃない、むしろ怠け者だ。本当にやりたいことだけにエネルギーを爆発させて取り組んでいる。私の収入を実際に働いた時間で割ると、これをかなり上回っているはずだ。
長い目で見れば「楽観論者」が成功する
人と比べる癖がつくと、自分よりうまくやっている仲間を憎んだり、うらやんだり、ねたんだりしてしまう。そしてそういう感情は相手に伝わるものだ。君が誰かと仕事をしようとするとき、相手に悪意や偏見を持っていれば、その思いは相手に必ず伝わってしまう。
人間は他人が心の奥底で思っていることを感じ取るようにできているんだ。だから人と比べることから抜け出さなくてはならない。
富を敵視していると、本当に富を得られなくなる。それはなぜかというと、富を得るのに適した考え方ができなくなり、富を得るのに適した気力を持てなくなり、富を得るのに適したレベルの人を相手にできなくなるからなんだ。
楽観的になろう、ポジティブになろう。これは大事なことだ。長い目で見れば、楽観論者のほうが成功する。
<本稿は『シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント』(サンマーク出版)』から一部抜粋して再構成したものです>
(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
Photo by Shutterstock
【著者】
エリック・ジョーゲンソン(Eric Jorgenson)
プロダクト・ストラテジスト、作家
【訳者】
櫻井 祐子(さくらい・ゆうこ)
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