フェイクニュースを鵜呑みにしてませんか? 「自分の頭の偏り」を知る確かな手がかり
「これは本当?それとも嘘?」
情報が溢れる現代社会で、私たちは日々、真偽の判断を迫られています。SNSで流れてくる投稿、友人から届く情報、テレビで報じられる出来事――。その全てを正しく判断できている人がどれほどいるでしょうか。
実は、私たちは知らず知らずのうちに、自分の「思考の偏り」によって情報を歪めて受け取っているかもしれません。特に、日本で育った私たちには、その傾向が強い可能性があります。
ドイツ在住の日本人実業家であり、世界に精通する人気インスタグラマーが48例に及ぶ世界のシン常識をまとめた著書『シン・スタンダード』よりお届けします。
フェイクニュースから自分を守る方法
海外に出たことで感じるのは、「日本人は頭(思考)が偏りがち」だということだ。
やはり島国ということで異文化との交流が少ないことや、そもそも「他人との違い」を嫌う文化であることが大きいのだろう。いわゆる同調圧力というやつだ。
もちろんそのおかげで、団結しやすいという側面もあるので、一概に「悪」と決めつけたいわけではない。
しかし、やはり常に冷静な自分でいるためにも、「思考は偏らないほうがいい」というのが僕の意見。
そこでまず、なぜ思考は偏らないほうがいいと思うのか、その点について、まとめてみたいと思う。
頭(思考)が偏っていると損をする2つのこと
頭が偏っていると損をすることのひとつ目として挙げられるのは、
「フェイクニュースに騙されやすい」ということ。
日本ではよく「フェイクニュース」なるものが話題になるが、僕が信じられないのは、明らかなフェイクニュースであっても、あたかも真実かのように信じてしまう人が非常に多いことだ。
新型コロナウイルスが蔓延し始めた時、フェイクニュースでたくさんの日本人が踊らされたことは記憶に新しいのではないだろうか。
もちろん「フェイク」というだけにそれらは全て誤情報。
やはり、「これはフェイクニュースだな」とすぐさま判別できる自分でいるほうがいいに決まっている。
しかし、頭が偏っていては、そのニュースがフェイクかどうかなんて、疑えないのである。
なぜなら、頭の偏りがある人ほど、自分が偏っていることに気づけないからだ。
「知人が言っていたから」といった理由でニュースを鵜呑みにした経験が一度でもあるなら、自分の頭の偏りを疑ったほうがいいだろう。
そして、頭が偏っていると損をすることとしてもうひとつ挙げられるのは、
「自分のメンタルヘルス(精神衛生)に良くない」という点だ。
「0か100」、「白か黒」といった具合に、思考が偏ってしまっている人は、例え自分と同じ側の意見であったとしても、場合によっては、その人の意見にストレスを感じがちである。
なぜなら、「白」に極端に偏っている人は、薄いグレーも黒に見え、「黒」に極端に偏っている人は、濃いグレーも白に見えるからだ。
つまり、側から見たら同意見なのに、自分と逆の意見であると思い込み、強いストレスを感じてしまうのだ。
では一体、どうすれば頭の偏りを防ぐことができるのだろうか。
自分の頭の偏りを防ぐ方法
頭の偏りを防ぐ方法。
それは自分が元々持っている意見とは、あえて逆の立場でディベートをしてみることだ。
逆の意見を主張しなくてはいけなくなった途端、なにも言葉が出なくなる人がいる。
しかし、それこそが、自分の頭が偏っている証拠だ。
自分の意見はありながらも、偏りのない人は、どちらの立場でディベートしても言葉が出てくるのである。
僕もイギリスで学生をしていた時に、この練習をひたすら授業でさせられ、それは今もとても役に立っている。
逆の意見を自分が主張していると、
「逆の意見も一理あるかもしれない」
と感じることもあり、偏りがほぐれていくだろう。
「ある夫と妻は、どちらも
自分の仕事のほうが
(自分の家事のほうが)
大変だと主張し、ケンカ続きです。
そこで3日間、
仕事と家事を交換してみました。
するとお互いの大変さが分かり、
仲直りしました」
昔、こんなニュアンスのことが書かれた絵本を読んだ。
このトピックスでお話ししたことはまさにこれ。
もし、ある特定の人と、いつもあるトピックで意見が割れてケンカになるという人は、
ぜひ一度、お互いが逆の立場になってディベートしてみることをおすすめする。
分かり合えることもあるかもしれない。
<本稿は『シン・スタンダード』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>
(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
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