「毎月3000円の使い道」本物のお金持ちに学んだ極意
◎オススメの記事
資産家への入門テスト「あなたは3000円を、10年間どう使うか?」
「女子のための株の基本」「節約大全」「クレジットカードの活用法」もっともらしいお金の本はたくさんあります。
私も一時期、お金の本を買い漁ったことがあります。でも気付いてしまったのです。「お金持ちは、身内にしか教えない、だからお金持ちと仲良くなるしかない」と。
そのために思いついたことはただひとつ、「婚活」です。
婚活で出会った投資家のジョーさん(50代男性)は、どうしても隠しきれないほどのお金持ちオーラの持ち主。
雪見だいふくみたいなモチ肌に、冗談みたいな福耳。ひそかに金の大仏と呼んでいます。ジョーさんの資産額はなんと100億円超え。彼は占いが大好き。
ある日、カラオケに誘われました。指定された部屋に行った私は、ボックスを開け、ぎょっとしました。
暗闇の中で〝金の大仏〟が怪しく光っていたのです。
大切な話は、雑居ビルの中のカラオケボックスでするのだそうです。
ズバズバ当たった占いの話や、ファッションコーディネートをしてもらった話、最近買った可愛いTシャツや流行りの髪型についての話。母性本能をくすぐる愛くるしいルックスのジョーさん。口角のきゅっと上がったモチ肌のピカピカの顔を輝かせながら、おしゃべりをします。
1時間ほどが経ち、沈黙が流れるとやっと私の話す番がやってきたと直感しました。「どうしてもお金持ちになりたいのです」と伝えました。
すると、彼は、カラオケを主電源から完全に落とし、音も照明も完全に消すとひっそりと耳元でささやき始めました。
10年貯金すれば36万円、では10年運用したら?
ジョー(以降J):今からとても大切なことを言います。毎月3000円の貯金はできますか?
私:(ゴクリ)3000円? は……はい、3000円であれば。
J:1年続けたら3・6万円になるね? 10年続けたら、貯金はいくらになる?
私:えっと、10を掛けるから36万円。
J:そう、毎月3000円を10年続けたら、36万円にできる。
しばしの沈黙──。
J:ここからが重要なのでよく聞いてくださいね。もうひとつ、別のケースを考えます。レバレッジをかけてやると……(スマホを使って計算しながら)「年利2%」で300万円借りる。そして、それを10年で返すとする。すると毎月の返済は「2万7604円」になるでしょう。
私:はい……(何を聞かされているのだろう……?)
J:もし300万円を「年利9・6%(月利0・8%)」で運用すると、毎月もらえる利息は「2万4000円」になるんだ。そうだね、たとえば新駅が建設されるから、10年で値上がりするアパートや不動産を買った、とイメージしてみてごらん。
私:……わかりました。
私はこのあたりで段々、何の話をされているのかわからなくなって、困惑していました。
J:借金の返済が2万7604円、もらえる利息が2万4000円。その場合、差額は毎月3604円だ。
私:??? どういうことでしょうか? 結局、毎月3000円以上の出費になっていますね。それはマイナスの投資ということではないのですか?
そう質問したとき、心なしかジョーさんの目がギラリと鋭く光った気がしました。暗闇のなか、スマホの光がジョーさんの顔を青白く照らし出しています。そうして、彼はゆっくりと話の続きを紡ぎ始めました。
J:そう、マイナスに思える。だが、もう一度冷静に計算してみてほしい。最初に問うたとおり、毎月3000円の貯金を10年続けると、得られるのはいくらだろう?
私:えっと、36万円だと思います。
J:正解だ。
では、300万円を10年借りる借金をして、毎月3000円強を10年ほど支払うとどうなるだろう? 手元に何が残ることになる?
私:それは、2つ目の話のことですよね? うーん……
つまり彼は、「3000円の貯金」と「3604円の出費」について、私に比べさせているわけです。毎月、同じように3000円を使った結果、どういった違いが訪れるのか、と問いかけていました。私は賢くありませんが、このときは必死に頭を回して熟考しました。そして──
私:え!? もしかして……不動産ですか!? 同じように3000円を使って、300万円の不動産が手に入るということでしょうか!
J:こちらも正解だ、おめでとう。君もたどり着くことができたね。それが、資産家たちの基本的な思考回路であり、本物のマネーリテラシーだ。一般社会ではなかなか教えてもらえないのが残念だけれど。
私:3000円の使い方だけで、こんなに違うものなんですね!
J:今回はわかりやすく「3000円」を比較してもらうために、控えめに見積もった数字を例に出したけれどね。本当は毎月のキャッシュフローもプラスなのがベストなんだよ。
私:3604円を払わず、むしろプラスになるということですか? ……そんな夢のようなことが、可能なんですか?
J:もちろんだとも。たとえば、借金の返済期間が10年ではなく15年くらいだったり、不動産の年利が9・6%ではなく15%程度だったりすると、毎月のキャッシュフローもプラスになるだろうね。そうすれば、お金をもらいながら、いつか不動産自体も所有できるんだよ。
世界がひっくり返って見えるように
投資家ジョーさんとの出会いは、私にとっても人生の転機になりました。その日以来、世界がひっくり返って見えるようになったからです。
毎月3000円の出費。
貯金しているだけだと36万円で終わる。
しかし、レバレッジを効かせると300万円になる。
実際には、不動産には維持費、修繕費、取引手数料などがかかります。それら諸経費を差し引いたとしても、200万円以上もの差が出るのです。
レバレッジを効かせるためにも、「いい借金」は必須。そんな現実を痛感する一日となったのです。
<本稿は『1年で億り人になる』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです。いい借金と悪い借金については本書で詳しく解説しています>
◎関連記事