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「王様のブランチ」Bookランキング1位!『科学がつきとめた運のいい人』著者・中野信子さんが「早寝早起きする人は運がいい」と言う根拠

本日3月2日に放送されたTBS「王様のブランチ」Bookランキングコーナーで、サンマーク出版の『新版 科学がつきとめた「運のいい人』(中野信子著)が1位にランクインしました。(【総合ランキング】ブックファースト アトレ吉祥寺店 2/19〜2/25)

運のいい人には共通した考え方や行動パターンがあり、運をよくするための振る舞いがあり、運はコントロールできる。これらを脳科学者の中野信子さんが脳科学的見地からつきとめて自分の脳を「運のいい脳」にするためのヒントを紹介した1冊です。

今回は本書の一部をご紹介。中野さんは「早寝早起きをする人は運がいい」と解説します。脳科学的見地から見たそのメカニズムとは?

『新版 科学がつきとめた「運のいい人」』(サンマーク出版) 中野信子
『新版 科学がつきとめた「運のいい人」』


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運のいい人は早寝早起きをする

 世の中で成功している人たちの多くが朝型人間です。

 毎朝4時に起床。家族が起き出すまでの3時間を自分のための時間として活用している──。

 夜は10時には寝てしまう。朝は遅くとも5時には起きて6時に出社。始業時間の9時までにはひと仕事終えていて、一日のサイクルが順調に回る──。

 いわゆる成功者と呼ばれる人たちは、よくこんなことを言います。

 深夜までがむしゃらに働いて、朝は遅刻寸前のギリギリまで寝ていて会社に駆け込むのが日常、というタイプの人の成功話は聞いたことがありません。

 実は、脳科学的にみると、それは当然のことといえるのです。

 私たちの体には、はっきりと確認されているものだけで25種類もの神経伝達物質がありますが、この中に安心感や安らぎなどのしあわせ感をもたらしてくれるものがあります。そのひとつがセロトニンです。

 セロトニンは心のバランスを整え、安心感をもたらすために、しあわせホルモンなどとも呼ばれます。「運をよくする」ためには必須の物質、ともいえるでしょう。

 セロトニンは、不規則な生活を送っていると、出にくくなってしまいます。早寝早起きの、規則正しい生活を送ることが大事というのは、この点からもいえることなのです。

 私たちの体は、夜になると自然に眠くなり、朝になると目が覚めますね。体温は朝のうちは低めですが、夕方にかけて徐々に上昇していきます。そしてまた朝になると下がります。

 このように、人の体には約24時間を周期としたサーカディアンリズム(体内時計)が備わっています。人のサーカディアンリズムは、通常、日中を活動時間帯、夜間を睡眠時間帯としてセットされています。

 睡眠と覚醒の変化、体温の変化と共に、このような物質の分泌量の周期変動も、人のサーカディアンリズムの特徴で、睡眠時にはメラトニンという物質が増えます。

 メラトニンは、良質な睡眠をつくり出すと共に、体の中の活性酸素を分解し、抗ウイルス作用を強めるなど、体を守り、老化を防止するのにも役立つ重要なホルモンです。

 そしてこのメラトニンは、脳の松果体でセロトニンからつくられます。つまり、セロトニンがしっかり分泌されていないと、メラトニンも減ってしまうのです。

 セロトニンは、朝の自然光を網膜が感じると分泌されます。そしてセロトニンが分泌されはじめた15時間後にメラトニンが分泌を開始するのです。

規則正しい生活がセロトニンの分泌を促す

つまり、セロトニンとメラトニンを十分に分泌させるためには、もともと体に備わっているサーカディアンリズムにのっとった生活をすること、すなわち朝は早めに起きて朝日をしっかり浴び、夜は早めに就寝することが大事なのです。

 ところで、セロトニンはトリプトファンという必須アミノ酸からできています。必須アミノ酸とは体内でつくられないため食物からとる必要があるアミノ酸です。

 そこで、セロトニンをつくり出すためには、トリプトファンが含まれる食事をしっかりとることも重要です。

 トリプトファンは、赤身の魚や肉類、乳製品などに含まれています。そして、セロトニンの合成にはビタミンB6も必要なので、ビタミンB6が含まれる食品(にんにく、とうがらし、ごまなど)をうまく組み合わせて食べるとよいでしょう。

 また、セロトニンはお風呂に入っているときなどリラックスした状態のときに分泌されることもわかっています。

 さらに、セロトニンがつくられるためには適度な運動も必要です。

 つまり、早寝早起きをして、適度な運動をする、ゆっくりお風呂に入ってリラックスする、というある意味オーソドックスな規則正しい生活が、セロトニンの分泌を促すのです。

 最近あまりツイていないなと思ったら、まずは生活リズムを規則正しいものに変えるところからスタートさせるのが近道、といえそうです。

<本稿は『新版 科学がつきとめた「運のいい人」』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>

【著者】
中野信子(なかの・のぶこ)
東京都生まれ。脳科学者、医学博士。東日本国際大学特任教授、森美術館理事。2008年東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行う。著書に『エレガントな毒の吐き方 脳科学と京都人に学ぶ「言いにくいことを賢く伝える」技術』(日経BP)、『脳の闇』(新潮新書)、『サイコパス』(文春新書)、『世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた』(アスコム)、『毒親』(ポプラ新書)、『フェイク』(小学館新書)など。

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