「聞き上手」で一緒にいて楽しい人がサラッとやっている5つのワザ
誰のまわりにも「話し上手な人」はいるでしょう。しかし、一緒に過ごしたいと思うのは、むしろ「聞き上手な人」のほうです。
「話を聞く」という行為は、実は想像以上に奥が深く、そして驚くほど強力なコミュニケーションツールです。ビジネスの成功から、人間関係の構築まで、その効果は計り知れません。真の「聞き上手」になるために、何をすればよいのでしょうか?
人間関係に関する実用的なテクニックをまとめた『他人とうまくやっていく』よりお届けします。
「聞き上手」になる
わくわくするような会話ができる人というのは、相手が話しているときに熱心に耳を傾けることができる人のことです。
聞き上手な人は、話し上手な人以上に、ポジティブな第一印象を相手に与えることができます。病院を訪れる人の40%は、本当に具合が悪いからではなく、自分の話を聞いてもらいたくて医者に会いにくるのです。
腹を立てたお客さん、不満を抱えた従業員、不機嫌な友人こういった人たちも、ほとんどの場合は自分が抱えている問題について、誰かに話を聞いてほしいと考えています。
ですから、会話上手な人になるには、まずは聞き上手になりましょう。
私たちは、話を聞く時間の3倍のスピードで物事を考えます。だからこそ、多くの人は相手の話にきちんと耳を傾けることを苦手としています。
商談などでは、あなた自身を売り込み、続いてあなたのアイデアや商品、サービスなどを売り込むことが最初のステップになりますが、このステップを「リスニングステージ」と呼ぶことがあります。なぜかというと、相手の状況やニーズに関して質問を重ねていき、相手の「ホットボタン」、つまり「隠れた願望」を探り出すことによって、初めて自分を売り込むことが可能になるからです。
聞き上手になる「5つの黄金ルール」
① 「アクティブリスニング」を実践しよう
「アクティブリスニング」とは、相手の話をどんどん引き出して、相手が言いたいことを確実に理解するための、とても効果的な方法です。
「アクティブリスニング」のやり方はとても簡単。相手が言ったことを、別の表現に言い換えるだけです。このとき「あなたは」という主語をつけるようにしましょう。
たとえば、こんな感じです。
マーク ── 「うちの会社にはスタッフが1200人もいるんだ。ここで出世するのは本当に難しいよ」
メリッサ ── 「あなたはとてもたいへんな思いをしているのね」(アクティブリスニング)
マーク ── 「そうなんだよ。昇進面接にもチャレンジしたんだけど、あまり手応えがよくないんだ」
メリッサ ── 「あなたは、はぐらかされているように感じているんでしょう」(アクティブリスニング)
マーク ── 「まさにそうさ。もしぼくに能力が足りないのなら、はっきりそう言ってほしいね!」
メリッサ ── 「あなたは本音で話してほしいと思っているのね」(アクティブリスニング)
マーク ── 「そのとおりだよ! それだけじゃなく(続く)」
もし、相手の言いたいことをきちんと理解できているかどうか自信がないときは、最後に「この認識で合っている?」という質問を付け加えてみましょう。
こんな感じです。
メリッサ ── 「あなたは本音で話してほしいと思っているのね。そうじゃない?」
アクティブリスニングのテクニックを使えば、相手に対して批判的になったり、自分の意見を押しつけたりすることにはならないので、相手がオープンに話をしてくれるようになります。また、あなたとしても次に何を言うべきか困らずにすみます。
② 相づちは最小限に抑える
相手が話しているときは、話の腰を折らないように、次のような「最小限の相づち」を打つだけにしましょう。
「なるほど」
「うんうん」
「ほんと?」
「もっと詳しく」
最小限の相づちを使えば、相手の話のボリュームが3倍にも増え、そのぶん多くの情報を吸収することができます。
③ アイコンタクトを絶やさない
相手があなたの目を見ているあいだは、あなたも相手の目を見るようにしましょう。アイコンタクトをまねることで、ラポール(親密な関係)を築くことができます。
④ 相手に向かって身を乗り出す
体を後ろに引くのは、好きではない相手、あるいは退屈だと思っている相手と話しているときのサインです。相手に興味を持っていることをアピールするために、話を聞きながら身を乗り出しましょう。
⑤ 話の邪魔をしない/論点をずらさない
話題を変えるのにせっかちになってはいけません。相手がその話題について話し終わるまで待ちましょう。
<本稿は『他人とうまくやっていく』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>
(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
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【著者】
アラン&バーバラ・ピーズ
Allan & Barbara Pease
アラン・ピーズはボディ・ランゲージの世界的権威。妻バーバラとの共著『話を聞かない男、地図が読めない女』(主婦の友社)は、55の言語に翻訳される大ベストセラーに。バーバラ・ピーズは、ピーズ・トレーニング・インターナショナルのCEOとして、各種ビデオの制作やトレーニング講座の運営、世界各国の企業・政府向けセミナーの開催などを手がけている。
【訳者】
藤田美菜子(ふじた・みなこ)
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