自分自身をわかっていない人とわかっている人の間に生じる大差
人生の選択や一緒に過ごす人、追い求めるものが「自分らしい」かどうかを考えてみたことはありますか。
自費出版から異例の全米ベストセラーとなった『THINK STRAIGHT』の邦訳版で、意思決定のスキルや集中力、精神の明晰さを手に入れるために役に立つ考え方やテクニックを盛り込んだ『まっすぐ考える 考えた瞬間、最良の答えだけに向かう頭づくり』の著者・ダリウス・フォルー氏は、「自分のために存在するものを見つけることが大切だ」と言います。
「自分らしい?」か考える
ここであなたにいくつか質問がある。
・あなたの得意なことは何ですか?
・あなたの苦手なことは何ですか?
・どうやって新しいことを学びますか?
・あなたが情熱を持っていることは何ですか?
・あなたが嫌いなものは何ですか?
これらの質問をひとことで言い換えると、「本当のあなたは誰ですか?」となる。
もちろん、生物学的に考えれば人間はみな同じようなものだ。臓器を持ち、骨があり、血が流れ、神経系を持っている。そして誰でも最後は死んでしまう。
それなら、なぜ自分自身を知ることが大切なのだろう? 以前の私はその理由がまったくわからなかった。学校でそんなことは習わないし、自分を知ることや、その重要性について誰も話していなかった。
しかしどうやら、自分自身を知らないことは、人生で間違った決断を下す原因になっているようだ。たとえば私は、次のような選択で失敗をしてきた。
・職業
・恋人
・追い求めるもの
・意思決定
・一緒にすごす人
間違った選択の共通点
私には、独自の長所、価値、スキル、欲求がある。間違った選択は、どれも「私らしさ」と合わないものだった。
昔の恋人は、外国で暮らしたいという夢を持っていた。しかし、私はそういうタイプではない。ずっと家族や親友の近くにいたかった。外国で暮らせなくても、残念に思うことはまったくない。ただ住む家があれば、私は十分に幸せだ。
価値観の違う人と付き合うと、2人の関係はゼロサムゲームになってしまう。どちらかの願いを叶えれば、もう一方の願いは叶わない。結局、彼女とは別れることになった。
また、私は電話営業の仕事をしたこともある。役に立たないガラクタを、それを必要としていない人たちに売りつける仕事だ。なぜ私は、自分が嫌いになるような仕事をわざわざ選んだのだろう? おおかたお金が欲しかったからだろう。当時の私は、自分をよく理解していなかった。お金が欲しければイヤな仕事をするのは当然だと考えていた。
今の私は、10年前より自分のことがよくわかっている。そして今から10年後には、さらに自分のことを理解しているだろう。自分自身を知ることが最初のステップだ。そして、その知識に基づいて行動を起こすことが次のステップになる。
ときには思わぬチャンスに恵まれて、すぐにでも「イエス」と答えたくなることもあるだろう。しかし、そこは冷静にならなければならない。まずは自分にこう尋ねる。「これは本当に自分らしいことだろうか?」
ここで答えが「ノー」になることは決して少なくない。私が学んだのは、世の中のたいていのものが「自分らしくない」ということだ。仕事でも、チャンスでも、国でも、人でも、パーティでも、ライフスタイルでも、本でも、私のために存在しているものはほとんどない。
むしろここで大切なのは、自分のために存在するものを見つけることだ。そして、その数は本当に少ない。
<本稿は『まっすぐ考える 考えた瞬間、最良の答えだけに向かう頭づくり』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>
(編集:サンマーク出版 Sunmark Web編集部)
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【著者】
ダリウス・フォルー(Darius Foroux)
ベストセラー『THINK STRAIGHT』『What It Takes To Be Free(自由になるために必要なこと)』を含め7冊の著作がある。2015年にブログを開設し、6つのオンラインコースを創設。人生、ビジネス、生産性、資産形成に関する考えを執筆している。
『タイム』誌、NBCテレビ、『ファスト・カンパニー』誌、『オブザーバー』紙など、多くのメディアで特集が組まれ、その思想や活動が紹介された。ブログの読者は月間50万人を超え、記事の購読者は3000万人以上になる。
【訳者】
桜田直美(さくらだ・なおみ)
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