とんでもない大富豪はみすぼらしい「軽トラ」に乗って現れる
富は隠すもの――。これは世界の大富豪たちに共通する不文律です。累計18万部のベストセラー『1年で億り人になる』の著者、戸塚真由子さんがドバイで出会った資産12億ドルの大富豪は、まるで路上生活者のような身なりで、人里離れた山奥に暮らしていました。
彼らはなぜ、ここまで徹底的に富を隠すのでしょうか。その答えは、古代から伝わるユダヤの教えの中にありました。
「ケタ違いの資産家」には見えない身なり
ドバイやアブダビには「ケタ違いの資産家」たちが集まります。
40代男性の投資家ゴードンも、そんなお金持ちのひとりです。
彼の資産は12億ドル超え、一度に動かすお金は最低でも1億ドル以上です。世界10カ国以上に家を持ち、現在はドバイに住んでいます。
それだけ聞くと、どれほど煌(きら)びやかな世界の住人なのかと思うでしょう。
しかし実際に会った彼は、まるで路上生活者のような身なり。体形も平均的な日本人男性に近く、スタイルの良さは感じられません。首のところが伸びたボロボロのTシャツにショートパンツ。仕事で発展途上国に視察に行くせいで脚は蚊に刺された跡だらけ、褪せた黒い髭ひげにぼさぼさの髪。
国籍は一見不明。大きな目だけが不気味に鋭く光り、飢えた生活困窮者といった様相でした。
乗っている車は、軽トラのような農家のおじさん車。住んでいる家もたいてい人里離れた山奥です。
そんなゴードンですが、わざわざトレーニングをしてまで、お金持ちオーラを消しているのだそうです。
特に現金やゴールドを運ぶときは、ボディガードには見えないボディガードを何人もつけ、さらに保険にも入ったうえで運んでいるそうです。
「お金というのは、不思議な力を持っている。たとえ本当にあったとしても、そこにあると誰にも気付かれてはいけない。たかられて無駄遣いすることになったり、泥棒や税務署から目をつけられるだけだから」とゴードンは釘を刺します。
私は特別に、滅多に見ることができないであろう時価総額「億」を超えるゴールドの実物やそれに匹敵する現金も見せてもらいました。それは、ゴミコンテナのようなボロボロの巨大ボックスに入れられていました。お金の存在、オーラを隠すために、上に本物の生ゴミが載せられていたのです。ここまで徹底するのかと、驚愕した記憶があります。
あなたの周りに、海外セレブに憧れてブランド品や高級車、ホテルの部屋など見せびらかしている人はいませんか?
こういう生活をしている人に、本物の富豪はいません。私が出会ってきた「ケタ違いの資産家」は、ゴードンのように、誰もがお金持ちオーラを極端に消して生活していました。
━━━ 現金には不思議なパワーがある
ちなみに私も大きな額の現金を扱うことがあります。
日本円の場合、現金は100万円の束、1000万円の束、1億円の束とあり、新札と旧札どちらでも用意はしてもらえます。
その際私は、できるだけ新札を用意してもらうようにしています。なぜかと言うと旧札にはたくさんの人が触ったエネルギーが色濃く残っているように感じるからです。新札は人の手に渡っていないため、そのようなエネルギーがありません。
皆さんも100万円の新札の束と、ATMで下ろした旧札の100万円を比べてみるとよくわかると思います。これが億単位となると隠しきれないエネルギーになります。
内は豪華、外は質素に。金の冠をかぶった雀
ユダヤ教に伝わる教典「タルムード」には【金の冠をかぶった雀】という可愛らしい物語があります。ユダヤ人には富豪や成功者が多く、ためになる教えです。
少し長くなりますが、富豪を目指す私たちにも役立つ物語ですので、あらすじをご紹介します。
イスラエルには有名な王様、ソロモン王という人物がいました。
ある日、ソロモン王はワシに乗って、領地を見渡しながら悠々と飛んでいました。
ところが、ソロモン王はアクシデントに遭い、ワシから転落してしまったのです。たまたま居合わせた雀達が、それを見てソロモン王のそばに集まってきました。みんなで力を合わせて王を助けたのです。
ソロモン王はたいそう喜び、命の恩人、雀の代表者を呼びました。
「助けてくれたお礼に、どんな願いでも叶えてさずけよう」
雀は、大喜びでみんなの元に戻ると、何をもらおうかとワイワイ楽しい会議が始まりました。
いつでも水が飲める池?
いつでも身を隠せるブドウ畑?
土壌に食べ物の種をまいてもらう?
さまざまな意見が飛び交います。
そして、1羽の雀が瞳を輝かせながら大声で言いました。
「そうだ、ソロモン王と同じ、金の冠をもらうのはどうだろう?」
すると、その他大勢の雀も「それだ! それだ! 王様と同じ冠をかぶって空を飛んだらさぞかしかっこいいだろう」と。全員一致で決定したのです。
代表の雀がソロモン王の元に行き、「私達全員に王様と同じ金の冠をください」と言うと、ソロモン王は少し首をかしげながら、「あまりいいアイデアだとは思わないぞ。考え直したらどうかな?」と言いました。
ですが、雀はどうしても金の冠が欲しいと言って譲りません。約束どおり、ソロモン王は雀の願いを叶えてあげました。
大喜びで金の冠を持ち帰った雀は、他の雀達に配りました。みんなもちろん大喜び、誇らしげに金の冠をかぶり、空を飛んでいたのです。
ところが大変なことが起こりました。
普段は雀のように小さな鳥など全く眼中になかったハンター達が、金の冠に気が付きました。
「おや! いいものをかぶっているじゃないか? あれを撃ち落とそう」と。
ハンターの狙いはもちろん雀なんかではありません。欲しいのはかぶっている金の冠だけです。
悲しいことに、雀達はどんどん撃ち殺されて、絶滅寸前、残り5羽にまで減ってしまったのです。
雀達は命からがらソロモン王のところに戻りました。
「王様、私達が間違っていました。この冠は私達には必要ありません。お返しします」と冠を返したのです。
そうして、やっと元の平和な生活に戻ることができました。5羽まで減ってしまった数も少しずつ増えていったのです。
この寓話は、もちろん人間のための教訓です。弱者が財産を見せびらかすと身を滅ぼす。考えなき者ほど、お金を見せびらかそうとするのです。
目立たないようにコッソリと配当を作り、人知れず少しずつ資産を増やす。
本当のお金持ちが心や家の内側は豪華なのに、表面は質素にしているのはそのためです。
<本稿は『1年で億り人になる』(サンマーク出版)から一部抜粋して再構成したものです>
(編集:サンマーク出版 SUNMARK WEB編集部)
Photo by shutterstock
【著者】
戸塚 真由子(とつか まゆこ)
株式会社MAYUKOness代表取締役社長資産構築コンサルタント/禁労®コンサルタント
愛知県出身。超倹約家の家庭で育った反動で、「お金持ちになる」が小さい時からの夢になる。公務員として勤務した後、民間に転職し、月収800万円を稼ぐ凄腕営業となる。しかし「高収入=お金持ち」ではないことに気付き方針転換。大富豪の生態を学ぶため、婚活もかねて世界38カ国を行き来し、アメリカ、ドバイ、スイス、アブダビ、モロッコ、モナコ、フランス、イタリア、台湾などで活躍する世界中の大富豪やVIPとの太いパイプを作る。資産家と3回結婚するも、それぞれ離婚を経てバツ3に。ある時、現在の投資の師匠に出会い、資産・収入ゼロからたった3カ月でFIRE達成、4カ月で資産1億円になる。その教えを広めて「1人でも多くのFIREを達成」させるべく資産構築サロンを運営。指導した生徒の74%以上を、資産ゼロや3000万円以上のカードローン地獄といった状況から生還させる。口コミで話題となり、海外からの受講者も多数。現在は1年以上のキャンセル待ちに。運営しているブログも、ハッシュタグランキング連続1位を獲得し、多くの読者に
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