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Essay – エッセイ

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トリニダード公国という「人口0人国家」が存在した歴史を知っていますか

トリニダード公国という「人口0人国家」が存在した歴史を知っていますか

 ただの「王室ファン」が建国した人口0人国家が、かつて1893年から1895年のたった2年の間に、ブラジル領に存在していました。その名はトリニダード公国。南米大陸・ベネズエラのすぐ近くに浮かぶ島国「トリニダード・トバゴ」とは全く別の存在。どんな歴史があったのでしょうか。

 オックスフォード大学で考古学と人類学を専攻した作家、アニメ脚本家のギデオン・デフォー氏が、消えた48国の歴史をまとめた『世界

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ロボットに怯える人間の歴史が意外に短くないという事実

ロボットに怯える人間の歴史が意外に短くないという事実

 スマートフォンを操作し、家電を遠隔操作し、AIスピーカーに話しかける。そんな暮らしが当たり前になった今、私たちはすでにロボットと共生していると言えるでしょう。

 一方で、AIやロボットに人間はさまざまな脅威を感じています。「シンギュラリティ」という言葉がささやかれるようになった最近だけではありません。実は100年も前からの話なのです。『アッと驚く英語の語源』よりお届けします。

robot/チ

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友人の恋愛相談には的確でも自分の話だと冷静さを失う心理の正体

友人の恋愛相談には的確でも自分の話だと冷静さを失う心理の正体

「絶対この人は違う!」と確信して始めた恋愛が、半年後には「やっぱり最悪の相手でした」と後悔してしまう。就職活動で「ここしかない」と思い込んだ会社が、入社してみれば自分に合わない職場だった――。

 人生の重大な選択で、判断を見誤ってしまうことがあります。友人・知人が同じような状況に陥った時は「それは違うんじゃない?」とすぐに気づくのに、自分のこととなると途端に冷静さを失ってしまう。

 それは私た

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「話を聞いてくれた!」と思われる人と相手と噛み合わない人は何が違うか

「話を聞いてくれた!」と思われる人と相手と噛み合わない人は何が違うか

「いや、だから私が言いたいのは...」

「うん、わかってるよ。要するに...」

「...違うんです」

 こんなやりとりをみずから経験、あるいは見聞きしたことはないでしょうか。相手は一見、話を聞いているように見えます。でも、その言葉の裏には「早く結論を出したい」という焦りが透けて見えます。実は「聞く」という行為には、もっと大切な意味が隠されているのです。

 行動科学的な視点から、人間関係にお

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目の見えない精神科医が「説明が苦手な人」に伝える、グッとわかりやすくなるコツ

目の見えない精神科医が「説明が苦手な人」に伝える、グッとわかりやすくなるコツ

「伝えた」と「伝わった」は、しばしば違う場所に着地します。私たちの誰もが経験するこの現象。謎を解く鍵を、北海道美唄市で「目の見えない精神科医」として働く福場将太さんは、意外なところで見つけました。

 福場さんの著書『目の見えない精神科医が、見えなくなって分かったこと』よりお届けします。

伝えたのに伝わらない理由

「ねぇねぇ、これ見て。すごいでしょ」

「わぁ! それ良いね」

「じゃあ私のこ

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一本調子な話し方とメリハリのある口調「人に与える印象」の圧倒的な差

一本調子な話し方とメリハリのある口調「人に与える印象」の圧倒的な差

 抑揚をつけて楽しそうに話すか、一本調子で話すか――。同じ内容だったとしても、それだけの違いで相手が受ける印象は変わります。

 私たちは普段、「何を話すか」ばかりに気を取られがちです。しかし実は、「どのように話すか」という声のトーンが、コミュニケーションの成否を大きく左右しています。

 行動科学的な視点から、人間関係における「トゲ」をなくして他者と生きる術に迫った『あいては人か 話が通じないと

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人付き合いのストレスを減らしたい人に知ってほしい脳の仕組み

人付き合いのストレスを減らしたい人に知ってほしい脳の仕組み

「なぜ私は、あんなことを言ってしまったんだろう……」

 そんな後悔をしたことはありませんか? 実は、それは太古から人間に存在する「ワニ脳」が原因かもしれません。その不可解な人間関係の謎を、最新の脳科学で解き明かし、スウェーデンで大反響を呼んだ『あいては人か 話が通じないときワニかもしれません』より冒頭の試し読みをお届けします。

はじめに──「彼は(私は)どうしてあんなこと言ったんだろう?」 私

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とんでもない大富豪はみすぼらしい「軽トラ」に乗って現れる

とんでもない大富豪はみすぼらしい「軽トラ」に乗って現れる

 富は隠すもの――。これは世界の大富豪たちに共通する不文律です。累計18万部のベストセラー『1年で億り人になる』の著者、戸塚真由子さんがドバイで出会った資産12億ドルの大富豪は、まるで路上生活者のような身なりで、人里離れた山奥に暮らしていました。

 彼らはなぜ、ここまで徹底的に富を隠すのでしょうか。その答えは、古代から伝わるユダヤの教えの中にありました。

「ケタ違いの資産家」には見えない身なり

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落語家が名前を変えながら成長していくのを知っていますか

落語家が名前を変えながら成長していくのを知っていますか

 落語家として一人前になるまで、どのくらいの時間がかかるのでしょうか?

 デキるビジネスパーソンが教養として押さえているのが、日本の伝統芸能である落語。「枕」「本題」「オチ」といった基本構成や主な登場人物と同じくらい知っておきたいことの一つが落語家の「出世階級」。独特の世界があります。

 まるで出世魚のように、名前を変えながら成長していく落語家たち。『ビジネスエリートがなぜか身につけている 教

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「聞き上手」で一緒にいて楽しい人がサラッとやっている5つのワザ

「聞き上手」で一緒にいて楽しい人がサラッとやっている5つのワザ

 誰のまわりにも「話し上手な人」はいるでしょう。しかし、一緒に過ごしたいと思うのは、むしろ「聞き上手な人」のほうです。

 「話を聞く」という行為は、実は想像以上に奥が深く、そして驚くほど強力なコミュニケーションツールです。ビジネスの成功から、人間関係の構築まで、その効果は計り知れません。真の「聞き上手」になるために、何をすればよいのでしょうか?

 人間関係に関する実用的なテクニックをまとめた『

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「偶然の幸運」をつかみ取る人に共通する考え方

「偶然の幸運」をつかみ取る人に共通する考え方

「運がいい人」という言葉を耳にすると、多くの人は単なる偶然や、生まれ持った才能を想像するかもしれません。しかし科学の世界では、「偶然の幸運」を捉える能力が、むしろ具体的な目的意識と強く結びついているという興味深い事実があります。

 脳科学者の中野信子さんの著書『新版 科学がつきとめた運のいい人』よりお届けします。

運のいい人は具体的な目的をもつ

 運というと、非科学的なものというイメージが強

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あなたを邪魔する他人が何をどう言おうと、あきらめる必要は全くない

あなたを邪魔する他人が何をどう言おうと、あきらめる必要は全くない

 新たな1年が始まりました。

「今年こそ」と思って新たな目標を立てたり、何かを始めようと考えたりしている人も少なくないでしょう。

 一方で、それを周囲に話した時に、懸念や反対の声が聞こえてくることがあります。

「今じゃないほうがいい」「そんなの無理だ」「もう少し考えたら」――。特に家族や親しい友人からの「待った」は私たちの決意を揺るがせます。

 なぜ身近な人々が目標達成を妨げようとするので

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銀行に預金だけしている人に『そろそろ投資をはじめたい。」を読んでほしい理由

銀行に預金だけしている人に『そろそろ投資をはじめたい。」を読んでほしい理由

 調達コンサルタントとして活動し、テレビ、ラジオなど数々の番組に出演、企業での講演も行っている坂口孝則さんはさまざまなジャンルにまたがって毎月30冊以上の本を読む読書家。その坂口さんによる『そろそろ投資をはじめたい。』(著:渡部清二、サンマーク出版)のブックレビューをお届けします。 

そろそろ投資をはじめてみる? いや、もうはじめているんじゃない?

「持ち家でも、借家でも同じだよ」

 よく言

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フェイクニュースを鵜呑みにしてませんか? 「自分の頭の偏り」を知る確かな手がかり

フェイクニュースを鵜呑みにしてませんか? 「自分の頭の偏り」を知る確かな手がかり

「これは本当?それとも嘘?」

 情報が溢れる現代社会で、私たちは日々、真偽の判断を迫られています。SNSで流れてくる投稿、友人から届く情報、テレビで報じられる出来事――。その全てを正しく判断できている人がどれほどいるでしょうか。

 実は、私たちは知らず知らずのうちに、自分の「思考の偏り」によって情報を歪めて受け取っているかもしれません。特に、日本で育った私たちには、その傾向が強い可能性がありま

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